4年の必修授業は討論の授業なのですが、
今日のテーマは「ライフボート問題」というものでした。
救命ボートに自分を含む9人乗っています。内訳は
・自分(船長)
・意識不明の女性
・優秀な大学生
・赤ん坊
・身寄りのない子供
・大会社の社長
・世界的スポーツ選手
・ガンに侵されたノーベル賞受賞者
・テロリスト
さてここで、
①食料が明らかに足りません。
どうやって分けますか?
②一人下りないと沈没してしまいます。
誰に下りてもらいますか?
③救助ヘリが来ましたが、一人しか助かりません。
誰が助かるべきですか?
記憶を頼りに抜粋すると、こんな感じでした。
難しすぎですよね……俺には決められない。
でもそれじゃ論議できないので、答えを探さなきゃならない。
俺の意見は、
「船と命運を共にするはずの船長が救命ボートに乗ってることがそもそもおかしい。誰かが犠牲になれば全員助かると言うなら船長が犠牲になるべき」
だったんですがそれでは③は決められない。
②に関しては、うっちーの意見を参考にすれば
「健康な大人全員が半身だけ水に浸かり、ボートにつかまる」
という道がありますね。なるほど!
また③は、他の人の意見ですが
「子供が赤ん坊を抱いてヘリに乗る」
という上手い考えも。
たしかに重さ的には大人一人分に満たないもんね。
でもとんちじゃないんです。
逃げ道を探す問題じゃないんです。
仮に就活のグループディスカッションなら、
そういう発想の転換が出来る人がいいかもしれない。
でもここではただ単純に、「誰を犠牲にしますか」というだけの問題。
この問題の場合、「助かるべき順番」という人間の価値を決めます。
怖いですよね、そう考えると。
物事の価値と言うのは主観によって決められるもので、
だからこそ新しいものを作るときには慎重にならなければならない。
だからこそこういったテーマで議論して、
工学を職にする人間に必要な倫理観を学ぶ、という授業だそうです。
週に一度のこの時間。
俺も、足りない頭振り絞って、色々考えてみようと思います。
実際に自分がその極限状態に立たされたらどう動くのかな。
他人を犠牲にしてでも生きたいと、浅ましく願うのか?
それとも自己犠牲の決意をして自分酔いしちゃう?
ちょっと論点は違うけど、有川浩「塩の街」のあとがきより引用。
①自分や自分の大事な人が命を落とす代わりに世界が救われる。
②世界は滅びてしまうけど、自分と自分の大事な人は世界が滅びるまでは永らえる。
このような選択肢があった場合、あなたはどちらをお選びになりますか?PR