有川浩「空の中」待望の文庫化です。
作者の2作目にして、初のハードカバー本。
その後「海の底」が発売して、
「塩の街」と合わせ自衛隊三部作と呼ばれるようになります。
娯楽としては「図書館戦争」シリーズに敵いませんが、
僕はこっちの三部作の方が作品としては好きだったりします。
文庫化はより多くの人の手に取ってもらえる機会だと思うので、
非常に嬉しい話です。
価格も半分以下ですし、まだ未読の方はいかがでしょう。
特に「図書館」しか知らない方々。
さて、単行本で持ってる自分が買う必要はないかとお思いでしょうが。
有川先生は嬉しいやら憎たらしいやら、
あらゆるものに「書き下ろし」のおまけをつけてくださいます。
今回は掌編「仁淀の神様」を収録。
とてもいい話です。
そしてさらに嬉しいところが、
文庫って巻末に誰かの「解説」が入りますよね。
この本の解説が、新井素子さんでした。
僕はこの人の作品読んだことないんですけど、
有川先生的には非常に大きな意味があります。
「レインツリーの国」という作品において、
登場人物が出会うきっかけとなるのが「フェアリーゲーム」という本です。
作中に出てくるこの本が、
新井素子先生の「妖精作戦」のオマージュなんです。
作中で主人公が話す感想は、当時有川先生の感じた内容そのもの。
だから今回、解説を新井先生が書いてくれる、
っていうのはすごく嬉しいんじゃないかなぁ。
もっともこれは僕の勝手な想像ですが。
少し出たので、さっきの「書き下ろし」のお話。
今一番悩まされているのが、
「図書館戦争」アニメDVD各巻初回限定版に
先生の書き下ろし短編がついてくる、というお話。
くそぅ商売上手め……買えと言うのか俺に。
悔しいかなファンの心理をぐりぐり突いてきます。
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