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カモミールの香りにのせて、日常を書きとめていこう。ただ徒然と。
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410104824X.jpg新潮文庫今月の新刊。
「天国の本屋」シリーズ3作目です。
昔映画になってましたね。
どうやら1作目とこれを足した形らしいですね。
映画版、見たくなりました。

1作目を買ったときに、
そのロマンチックな描写に惹かれて。
時折入る温かなタッチの挿絵がいい味で。

「天国の本屋」は、主人公が天国の本屋でバイトする話です(まんまだ
まず「天国」の設定が面白いです。
100歳で設定された人の寿命の、残りを生きる場所が天国だそうです。
つまり80で死んだら20年天国で生きて、その後転生すると。
しかし中には未練を残した人もいて、そういう人は緑の瞳を持っている。
主人公は天国で働くアロハシャツの老人「ヤマキ」に連れられ、
短期間天国でのバイトをすることになります(死んではいません
主人公と、この緑の瞳を持つ人との出会いが、作品の鍵。
とまぁ3作通じてこの設定は同じです。

3作目の「恋火」の主人公は、売れないピアニスト。
仕事がなくなって悪酔いしたところを、ヤマキに連れてこられます。
そして、現世に未練を残す翔子と出会う。
本屋での本の朗読サービス、翔子との出会いを通じて
彼は失っていたものを見つけていきます。

ピアノを弾くことと、本を朗読することは似ている。
もちろん表向きには何もかもが違う。でも、すでにある楽譜、すでにある本を、指と鍵盤を使って、または読みあげることで、聴く者に伝える。そしてそれは同じ楽譜、同じ本であっても、弾く者、読む者によって違う音色を奏で、違う言葉となる。
(中略)
本当はピアノを弾くのも同じことなのだ。自分なりの演奏を極めることも大事だが、聴いている人の波動を感じ取って演奏することも同じくらい大事なことだったと。


このくだりが、とても気に入りました。
朗読か……やったことないや。そういえば母さんがとても上手でした。



―――その花火を見れば、二人の恋は成就する。
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