電撃小説大賞が発売されてました。
大賞作品は売り切れ続出っぽいですが……あまり興味ありません。
それよりは金賞作品買おうと思ってます。
で、それはそれとして。
紅玉いづき先生の新作「冬蟷螂」が発売されてました!
(ふゆかまきり、と読みます
「ミミズクと夜の王」「MAMA」に続く3作目。
以前の2作品は当ブログでも紹介してきたくらい、
この作家さんはイチオシなので迷わず即買いです。
“人喰い物語”最終譚。
紅玉さんは文字通り「人喰い」のお話を書く方です。
「ミミズクと夜の王」では魔物の王に喰われたいミミズク。
「MAMA」では耳だけを喰い損ねた魔物ホーイチ。
今作では、想い人を喰らうほどに愛すると言われる
フェルビエ族の族長「アルテシア」が主人公となります。
(何度もアルテイシアと読んでしまったのは内緒だ
とはいえ、すべての作品に共通して、人を喰らう描写はありません。
1作目からずっと「愛」だけを書いてきた紅玉さんですから、
そこは安心して読むことができます。
「人を喰らう」と言われる者たちが、どのような愛を持つのか。
それを感じていただければ、とても幸せな気分になると思います。
では、あらすじを少々、書いてみます。
雪山に暮らすフェルビエ族とミルデ族。
激しい戦いの末に10年の休戦条約を結び、
ついに休戦の終わりとなる年。
フェルビエの族長アルテシアとミルデの族長オウガ、
2人の婚姻、すなわち政略結婚により和平の締結を。
氷のように冷徹な女は愛を知らず、「これが私の戦だ」として
影武者のルイ、近衛隊長のトーチカと共にミルデへ赴く。
しかし世代を超えて交錯する様々な人々の思いから、
婚姻の儀は阻まれることになる。
恋多きルイの真実の涙。
トーチカの忠誠と不器用な愛。
オウガの真摯な、誠実な想い。
そして、アルテシアの生涯一度きりの恋。
結末は、すべての登場人物が望む方向へ。
―――ああ、よかった。
心からそう思える読後感。綴られる文章の端々から感じられる愛。
本当に、登場人物たちを愛してやまない作家だと思います。
1作目のインパクトと比較してしまうと見劣りするかもしれませんが、
数あるライトノベルの中でも指折りの名作だと思います。
私はこれからも、紅玉いづき先生の作品に期待しています。
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