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最近宮部みゆき「あかんべえ」読みました。
主人公「おりん」の両親は、料理屋「ふね屋」を開業する。
しかしその地はいわくつきで、五人の幽霊が住んでいた。
生死の境をさまよったおりんには、彼らの姿が見えた。
しかし最初の客をもてなすときに、
幽霊の一人が刀を振り回すという騒ぎを起こしてしまった。
悪い噂が広まり、立ち行かなくなるふね屋。
そんな中でおりんは、幽霊達を成仏させる方法を探す。
というような話でしたスーパー適当ですが。
気付いたこと。
宮部みゆきは、人の醜い部分を抉り出すのが上手い。
「あかんべえ」は幽霊が出てくる話だけど、
幽霊よりも圧倒的に人間が恐ろしい。
「模倣犯」も、最近読んだ「誰か」も、
あえて言うなら「ブレイブストーリー」でさえも、
人間の醜さに恐怖を覚える作品だと思う。
それでも「あかんべえ」も「ブレイブストーリー」も、
主人公の純粋さで上手くまとまっているから素晴らしい。
離婚して出て行った父を取り戻し、母を救いたいワタル。
幽霊騒ぎを解決して、両親の店を繁盛させたいおりん。
幻界を旅しその現状を見て、最後の決断をするワタル。
幽霊達と仲良くなって、彼らを救ってあげたいと願うおりん。
うーん、うまくまとまんないけど。
宮部みゆきのファンタジーとして通じるもの、かなぁなんて。
実はどっちも借りて読んだもの。
余裕ができたら、買って手元においておきたい作品です。
逆に有川浩の作品は、
人間の格好いい部分を全面的に押し出してくる。
登場人物達が、作者の言を借りれば「日和らない」大人。
「妥協」をしないから、常に格好いい。
話の都合上嫌な奴も出てくるんだけど、
気付いたのは、彼らにはほとんどの確率で名前がない。
8冊中で、名前のあるムカツク人物なんて2、3人だろう。
だからさほど印象に残らない。
名前のある主人公の周囲の人間が、みんな格好いいから。
対照的だ、ということに気付いて書きたくなっただけの記事です。
人の醜さ、人の美しさ。
アプローチの仕方は違うけど、どちらの作品も大好きです。
おりんやワタルのような純粋さはもうないけれど。
堂上や小牧のような格好よさは目指したいものです。