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カモミールの香りにのせて、日常を書きとめていこう。ただ徒然と。
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名古屋に帰省してきました。
市長選は今頃開票中だろうか。どうなるのかなぁ。

さてさて本日もつれづれ。
というか本の感想なので「紹介」カテゴリにしますね。

・有川浩「海の底」文庫版、発売

「空の中」に続く文庫化です。
これで初期三部作はすべて文庫で揃えられますね。
角川文庫で700円くらいで買えますので、
まだ未読の方はこの機にぜひ読んでみては如何でしょう。
(もうここで何度勧めてるか分かりません
3作目とわりと初期の作品になりますが、
僕個人としては今でも一番好きな作品です。

B急特撮映画みたいな設定なのに、徹底したリアリティ。
自衛隊のあり方に対する問題提起。
そして図書館戦争以降の作品に比べれば全然足りないけれどラストシーンの美しさだけでそれを越える(と思っている)恋愛描写。
あまりベタベタしてないので特に男性にはオススメかも。

巻末の解説でいいこと書いてありました。
「海堂尊と並ぶ、社会派エンターテイメント作家」
エンターテイメント小説としての面白さは一級品で、
さらに今の社会の在り方に対する問題提起を忘れない作風だと。

ちなみに文庫化にあたって、
雑誌収録のみだった「海の底、前夜祭」も収録されてます。
冒頭で夏木と冬原が懲罰喰らってる原因となる事件ですね。
興味があればどうぞ。


・東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」読了

「名探偵の掟」で推理小説の「犯人当て」を皮肉った著者の、
解答として書かれた作品。
「犯人当て」は「フーダニット(Who done it?)」とも呼ばれますが、
この作品の最大の特徴は
「最後まで読んでも読者に対して犯人が明かされない」ということ。
読者がちゃんと「推理」して読む小説になっているということです。

その代わり、犯人を特定するためのすべての証拠が作中に記されています。
それに加えて、巻末に袋とじのヒントが付いているという親切設計。
ちなみに僕は袋とじを見るまで自力では解けませんでした。
というか文庫化に際しヒントとなるコトバが削られているらしく、
正直難しすぎです。解けたらすごいと思います。

「名探偵の掟」の中で作者は
「わたし、途中で犯人わかったもーん」という読者が時々いるが、実際に推理してわかったのではなく、こいつだ、と適当に狙いをつけたら当たっていただけに過ぎない。
と、安易なミステリ業界だけでなく、読者をも皮肉っています。
身に覚えのある人は結構いるんじゃないでしょうか。
自分もそんな経験あります。
しかしこの作品では容疑者は2人しかいません。
そして状況的にはどちらにも犯行は可能。
徹底的に「犯人当て」のみに焦点を絞った小説です。

かなり頭を使って読むので、夢中になります。
「名探偵の掟」に共感できた人にはオススメ、かも。
次は「動機」に焦点を絞った「悪意」あたりを買ってこようかな。
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