先日、東野圭吾「白夜行」「幻夜」を読みました。
両者ともに、文庫本なのに1000円というオーバースペック!
あまりの分厚さに、買うのを躊躇います(笑)
東野圭吾はドラマ「ガリレオ」の原作「探偵ガリレオ」ではまり、
続編の「予知夢」「容疑者Xの献身」を読み、
その後「さまよう刃」を読んでから「白夜行」に挑みました。
宮部みゆき、伊坂幸太郎が好きな自分ですので、
すなわちミステリ好きというわけで、東野圭吾にはまらない訳がない。
著者の東野さんが理系人間なので、理系的なネタが多いですね。
「ガリレオ」シリーズは特に理系にオススメです。
対して「さまよう刃」は少年法に対する問いかけという形になっているので、
読み物としてはかなりツライ部類に入ります。
読んでいて気が滅入る、というか。
そして、その極致ともいえるのが「白夜行」ではないでしょうか。
主人公は、唐沢雪穂と桐原亮司の二人。
ただし描写は第三者の視点であり、二人の内面は一切語られません。
子供時代から始まりこの二人の成長を追っていく形式になっていますが、
二人の周囲で次々と起こる、奇妙な出来事。事件。
「怪しい」けれど「何一つ証拠はない」いくつもの事件。
それらが一切解き明かされることなく次々に話が進むので、
読み進むにつれ気持ち悪さがたまっていく小説です。
その結果、はっきりした「答え」がほしくなり、読むのをやめられない。
一晩で最後まで読み切ってしまいました。
ものすごく疲れたけど、ものすごく面白い小説だと思いました。
その後「続編」と囁かれる「幻夜」に手を出しました。
主人公は、水原雅也と新海美冬。
この新海美冬こそ、唐沢雪穂ではないのか?
そう思わせる表現が何度も何度も繰り返される、
これまた「白夜行」の気持ち悪さをそのまま引きずったような小説です。
「白夜行」を読んだ人は間違いなく、こちらも読むべきです。
ただし同一人物だと断定することはできないので、
「そうかもしれない」くらいの認識にとどめておく必要はあります。
何 一 つ 証 拠 は な い んですから。
利用できるものは何でも利用する、
自分の美貌も、愛してくれる人間も、正体をつけ狙う人間も。
そんな雪穂と、美冬の恐ろしいまでの執念に心が震えます。
彼女の行いは、けっして正しいことではない。
でも立ち止まっているだけよりは、魅力的だと感じるんだ。
立ち止まることは許されない、
でも「ここ」から前に進む方法が分からない、
じゃあ僕はどうしたらいい?
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