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カモミールの香りにのせて、日常を書きとめていこう。ただ徒然と。
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新潮文庫12月の新巻、重松清「卒業」。
「まゆみのマーチ」
「あおげば尊し」
「卒業」
「追伸」の4篇から成る。

―――なんだこれ。

1篇ごとに、涙が止まらない。
本で面白さを味わうこと、感動すること、もう何度もあったけど。
こんなの初めてだ。
リアルに、涙なしには読めない4作品。
「追伸」に至っては、開始数ページで号泣。

「まゆみのマーチ」
死に逝く母と、妹の温かい関係を見つめ、振り返る話。
優等生の自分から見て、妹に甘すぎた母。
それでも、大人になってわかること。見習えること。
好き。
ただそれだけの台詞の、どれだけ重いことか。

「あおげば尊し」
主人公は教育に悩む小学校の教師。
そして死に逝く父親は、厳格な高校教師だった。
教え子が、誰一人見舞いに来ることはないくらいに。
あおげば尊し、我が師の恩―――
歌うことは、できるだろうか。
歌われる資格は、あるのだろうか。

「卒業」
私の父は、私が生まれる前に自殺しました―――
父のことは、自殺したということしか知らない。
自分にも、自殺の遺伝子が流れている。
「親友だったんでしょう?父のことを教えてください」
そう言い募る、いじめに悩む女子中学生。
亡き親友の思い出を彼女に語り、できることは。

「追伸」
小学一年生のとき、母は癌で死んだ。
母が病床で記した、闘病日記。自分宛のノート。
―――けいちゃんに会いたい。
母の思い出だけを胸に、少年は作家になる。
再婚相手のことは、母と呼べないままに。
そこに救いは、あるか。


気付いたことは、全てが「親の死」と向き合う話。
だからこんなにも泣けるのか?
明日はもう、実家に帰る日。
さて。
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